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    中国 China :共産主義国家のボランティア活動「志願者活動」と「義工」


    アジアシリーズ②
    【中国 China :共産主義国家のボランティア活動「志願者活動」と「義工」】

    1.ボランティア概念のルーツは? 

     全世界人口の2割を抱える国家、中国は多種多様な民族で構成されています。その中でも、全人口の9割にあたる漢民族のボランティアについて注目してみます。

     多種多様な民族がゆえに、公式には無宗教の国家ですが、漢民族の社会では古くから儒教の考えが浸透しています。2000年にわたる儒教の歴史は、社会の価値観や基準に多大な影響を与えてきました。他者を支援することは、儒教の教えの中、重要な役割を果たしており、伝統的に相互扶助として社会に根付いています。その相互扶助の考えに、80年代頃に欧米から入ってきたボランティア活動の概念が導入され、「志願者活動」と約されました。志願者活動は、「自らの持つ資源を社会の他の構成員のために活用し、調和ある社会を構築すること」と定義されています。こうした国家的・組織的な活動は、政府の政策、党の方針を受けて実施されています。これらとは別に、個人的なネットワークに基づく草の根活動を「義工」と呼び、ボランティア活動の場は多様化しています。

    2.それぞれのボランティア組織

     志願者活動は、大学生と若年労働者が中心的な存在である「青年志願者活動」と、地域コミュニティにおける「社区志願者活動」に分けられます。「青年志願者活動」は、政府や大規模な民間非営利団体が行う全国的なプロジェクトや国際援助への参加を主としたものです。社会に奉仕する人材育成を目的とし、共産主義青年団が中心となって活動を展開してきました。そのため、組織的にボランティアの登録、マッチング、管理、評価が行われています。

     一方、「社区志願者活動」は社区=コミュニティ内で諸問題を解決するための活動です。ボランティアは各社区の住民組織「居民委員会」を通じて参加します。1980年代の「社区服務」政策により、社区における住民の手による社会サービスの実施が促進されました。参加者の構成や活動範囲が「青年志願者活動」と大きく異なるといえます。

     「義工」は実質的には「志願者活動」と違いはありませんが、特に、個人の自発的な相互扶助活動であることが特徴とされます。「義工」は各地に設立された「義工連合会」を中心に発展し、ボランティアの登録・管理、情報提供などを行っています。

    3.実際の活動から学ぶ

     中国の独立したNGO、中国青年財団(DYDF)。その財団の「HOPE」プロジェクトの目的は、貧しい地域の子どもたちを援助して、学校に戻れるようにすることです。このプロジェクトは、公共施設を使わず、ごくわずかの予算で始められました。注目すべきは広報活動です。ボランティアは10万通の資金援助を求める手紙を書き活動を世に広めました。また、記者会見を行い、テレビの特別番組や新聞記事で取り上げてもらうなど、近代的な広報活動の組織作りに取り組みました。こうした活動は、中国のボランティア組織において全く新しいタイプの広報でした。その結果、「HOPE」プロジェクトは中国や他の地域で驚くべき数の支援の輪を広げることに成功しました。2年間で7億元以上の支援を受け取り、その資金で130万人の子どもたちを学校に戻し、2700の小学校を支援しました。

    4.大規模イベントへの参加

     近年、大規模イベントの運営にボランティアは欠かせない存在となっています。2000年シドニーでは47,000人、2004年アテネでは60,000人とボランティア人口は順調に増えました。そして、2008年の北京オリンピックにおいても、多くのボランティアが活躍しました。北京大会のボランティア募集をしたところ、207万人もの応募があり、2年をかけて170万人のボランティアが選出されました。ボランティアの活動は、競技場での活動、市内の案内、各国応援など、多岐に渡りました。ある21歳の学生は、北京市内を走る630ものバス路線を暗記して、「歩く地図」のあだ名のごとく観光客に乗り換え案内や目的地への行き方を案内したそうです。

    このように、ボランティアの注目・参加が高い中国。来年の上海万博ではどれくらいのボランティアが活躍するのでしょうか?楽しみですね。

    参考文献
    諸外国におけるボランティア活動に関する調査研究報告書、文部科学省、2007年3月
    世界のボランティア活動 -各国の歴史と実例-、マルフリート-マリー・ホファート他、2002年
    The official Website of the Beijing 2008 Olympic, http://en.beijing2008.cn/volunteers/news, 2008年