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エジプト・アラブ共和国 Arab Republic of Egypt:社会のニーズに合わせたボランティア活動
アフリカシリーズ②
【エジプト・アラブ共和国 Arab Republic of Egypt:社会のニーズに合わせたボランティア活動】
中東・アフリカの国、エジプト・アラブ共和国(通称:エジプト)の紹介です。
☆イスラム教国家のボランティって?
エジプトと聞くと何を想像しますか?ピラミッド、クレオパトラ、砂漠、世界遺産、ナイル川…色々浮かびますよね。古代文明の発祥地、エジプトは多くの人々を魅了してきた国です。でも、そのエジプトがどんな国か、また、ボランティアとなると、知っている人はあまりいないかもしれません。日本政府による政府開発援助(ODA)やNGO団体のボランティア活動はなんとなくありそうって思えても、エジプトの人々によるボランティア活動は、あまり馴染みがないと思います。そこで、簡単にエジプトという国とその社会におけるボランティアについて紹介します。
アフリカ北部に位置するエジプトは古代文明発祥地として栄えてきました。イギリス植民地時代を経て、1922年に独立して王制になります。1952年の革命で共和制国家となり、90年代初頭に民主化への動きが高まり現在に至ります。イスラム教信者のアラブ人が大半を占める国家です。施しを行うこと、慈善活動はイスラム教社会に根ざした活動でした。しかし、革命以降の共和制は民間組織や団体を統制したため、ボランティア団体、組織は弱体化しました。しかし政変や社会のニーズに伴い、80年代から再び市民セクターが活発になり始めました。
【事例の紹介】
☆隙間を埋めるイスラム教系組織
行政がコミュニティへの怠ったサービスを、イスラム教系組織は補完してきました。貧しい子供たちに教育を提供したり、保健医療センターを設立したりしました。国民の中で無視されてきた層にサービスを提供したのです。全国規模の組織のひとつ、ガーミャ・チャリアは、国内の20万人の孤児のために、助言者制度を設けました。助言者はモスクを通じて募集され、孤児のための社会的なネットワーク作りをしています。
☆行政のパートナーとして
積極的な市民活動を実施する団体のなかには、自分たちを行政のパートナーと位置づけて活動しています。環境保護協会(APE)もそのひとつです。APEは「ごみの村」と呼ばれる地域の住民の生活向上のために様々なプロジェクトを実施しました。
住民はごみ汚染に苦しみながらも、ごみ収集が収入の柱となっています。家計を助けるため、子供たちも学校に行かずごみ収集をしていました。教育を受けない子供たちは、貧困から抜け出すことができません。APEは、廃棄物をリサイクルして収入を上げることを目的に行政、企業と連携をはかりました。
プロジェクトの一つに「絨毯織りとパッチワークセンター」があります。家族のために街頭でごみ収集をしなくてはならない少女や女性のために「学んで収入を得る学校」のモデルが開発されました。企業から寄付されたボロ切れをリサイクルして売れる商品にして、教育を受けるものです。環境保護と草の根的活動が結合した点が特徴です。
参考文献
マルフリートマリ・ホファート編『世界のボランティア活動 -各国の歴史と実例―』(アルク、2002年)